訪問診療の看護師ってどんな仕事?外科・オペ室7年目が1日の流れまで全部話す

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「訪問診療の看護師って、実際のところどうなの?」

病棟にいると「なんとなく穏やか」「夜勤がない」というイメージはあっても、1日の流れや病棟との違いがよく見えないことが多いと思います。

私は外科病棟4年・オペ室3年と合計7年間、病院看護師として働いてきました。その後、訪問診療クリニックの看護師に転職。この記事では、働き始めて感じたリアルを正直にお伝えします。

この記事で分かること:

  • 訪問診療看護師の1日のリアルな流れ(施設同行型)
  • 病棟看護師との「働き方の違い」を3点で整理
  • 外科・オペ室から移って楽になったこと・戸惑ったこと

まず最初に:訪問診療には2つのタイプがあります。

  • 個人宅を中心に訪問するタイプ(在宅患者の自宅を1軒ずつ回る)
  • 老人ホームや施設を中心に巡回するタイプ(1施設に多数の患者が入居している)

「訪問診療の看護師」として検索で出てくる情報の多くは①の話です。ただ、私の職場は②の施設同行型。この記事は施設巡回型のリアルをベースに書いています。個人宅訪問型との違いも含めて参考にしてください。

訪問診療看護師の1日の流れ(施設同行型の場合)

勤務時間は9:00〜18:00、週5日勤務・週休2日制。夜勤はありません。

  • 9:00 出勤・準備。当日訪問する施設のリストと処置内容を確認。
  • 9:30〜12:30 午前の施設回診。医師と同行して老人ホームなどを訪問。1施設あたり30〜50人を医師が回診し、看護師は採血・膀胱留置カテーテルの交換・導尿などの処置と診療補助、看護記録の記載を担当。
  • 12:30〜13:30 昼休み。
  • 13:30〜16:30 午後の往診対応・翌日の訪問準備・記録の整理。
  • 16:30〜18:00 電話対応・引き継ぎ・事務作業。

施設間の移動は車です。近い施設なら10分程度ですが、遠い施設では片道30〜40分走行することもあります。高速道路を使う日もあります。

施設同行型は「医師と一緒に動く」のが基本。個人宅型と比べて1人でいる時間は少ない分、医師のペースに合わせる必要がある。良い面でもあるし、そのスピード感についていくのが最初はしんどかった部分でもある。

病棟看護師との決定的な違い3つ

① 裁量はそこまで大きくない

「訪問看護は1人で判断する場面が多い」というイメージを持っている方が多いと思います。施設同行型では、日中は常に医師と同行しているため、何かあってもその場で指示をもらえます。裁量が発生するのは主に日中の電話対応や、医師不在のセカンドコール対応程度です。

「1人でなんでも判断しなければ」というプレッシャーは、病棟より少ないかもしれません。

② 車の運転がメイン業務の一つになる

正直、転職前に一番想定が甘かったのがここです。「移動がある」とは分かっていましたが、1日に複数施設を回ると運転時間も積み上がります。雪の日・台風・混雑した市街地での駐車——病棟では発生しなかった種類の「しんどさ」があります。

ペーパードライバー同然で入職すると、業務の習熟よりも運転慣れの方が先になることもあります。これは入職前に確認しておいた方がいい条件の一つです。

③ 患者と1対1で深く関わる時間は短い

施設同行型では、1人あたりの対応は3分程度が中心です。やりとりの主体は医師と患者・施設スタッフで、看護師は処置と記録が中心。患者さんと深く話す時間を求めている人には、個人宅訪問型の方が合っているかもしれません。

オペ室・外科から来て「楽になったこと」「戸惑ったこと」

楽になったこと

  • オンコール・夜勤がなくなった:オペ室時代は「いつ呼ばれるかわからない」緊張感が常にありました。月に8〜10回あった夜勤もなくなり、体の回復が明らかに変わりました。
  • 清潔ケアなどの療養上の世話がほぼなくなった:訪問診療の主な業務は処置と診療補助です。入浴介助・陰部洗浄・体位変換といった療養上の世話は担当しません(それは訪問介護・訪問看護の領域)。体力的な消耗の仕方が病棟と違います。
  • 看護記録が最小限になった:病棟のように「看護問題・看護計画・経過記録」を毎日書く必要がなく、記録のボリュームが大幅に減りました。残業の主な原因だった記録時間が圧縮されたのは正直助かりました。

戸惑ったこと

  • 最初は車の運転が怖かった:ペーパードライバーに近い状態で入職したため、医師と患者を乗せて走る最初の1か月は毎日緊張していました。運転に自信がない場合は、入職前に伝えて練習期間を設けてもらうことを強くすすめます。
  • 「仲介役」としてのコミュニケーションが増えた:施設看護師・介護士・ケアマネ・薬局——医師の意向を伝え、施設側の状況を医師にフィードバックする仲介的な役割が増えます。これが得意な人にはやりがいになりますが、対外的なやりとりが苦手な人には負担になります。
  • 電話対応が多い:施設からの問い合わせ・患者家族からの連絡・薬局・ケアマネとのやりとりなど、1日に複数回の電話対応があります。病棟でも電話はありましたが、相手先の種類が一気に増えました。
  • 5日勤・週休2日のリズムへの切り替え:病棟出身の方は、3交代・2交代から固定曜日休みへの切り替えに最初少し戸惑う人が多い印象です。オペ室出身の場合は日勤中心に近い経験があるため、比較的馴染みやすいと思います。
  • 処置補助が業務の中心になる:医師の動きに合わせてタイムリーに採血・バルーン交換・注射などをこなす必要があります。外来や処置室の経験が少ない人は最初に「段取り感」を掴むまでに時間がかかりました。

こんな人に向いている(詳しくは別記事で)

施設同行型の訪問診療に向いていると感じる人の特徴は、おおむねこの3点です。

  • 医師・施設看護師・介護士など、多職種とのコミュニケーションが得意な人
  • 自分でタスクを整理して動くのが好きな人
  • 夜勤のない働き方を望んでいる人

「向き不向き」は想像より個人差が大きく、体験してみないと分からない部分もあります。訪問診療に向いている人・向いていない人【7年目が正直に話す】では、もう少し細かく整理しています。

オンコールや給料はどうなの?

施設同行型ではオンコールは基本ありません。ただし「セカンドコール」という体制があり、医師が一次対応に出られない場合に電話が鳴ることはあります。夜間に看護師が実際に出動することはなく、あくまで電話対応の範囲内です。

給料や手当の具体的な数字は、訪問診療看護師の給料・オンコール手当のリアル【病棟との比較あり】にまとめています。

まとめ:迷っているなら、情報だけ先に集めておく

この記事でお伝えしたことをまとめます。

  • 訪問診療には「個人宅型」と「施設同行型」の2つがあり、働き方が大きく異なる
  • 施設同行型は医師と同行するため裁量は少なめで、車の運転と処置補助が中心業務
  • 夜勤・オンコールがなくなることで体への負担は減るが、対外コミュニケーションは増える

「訪問診療=個人宅を1軒ずつ回る」というイメージだけで考えていると、施設同行型に転職したときにギャップが生まれます。どちらのタイプか・オンコールの有無・運転距離——これらは求人票には書いていないことが多いです。

転職を検討するなら、事業所ごとの実態を早めに確認しておくことをすすめます。最初の電話面談で、こうした条件をまとめて確認できます。いきなり転職しなくていい。情報を先に集めておくだけで、判断がずっと早くなります。

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