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「冬のボーナスはもらってから辞めたい」
「でも、早く言いすぎると気まずい。かといって遅すぎると年内に間に合わない」
——そのあいだで決めきれないまま、11月が過ぎていく。
この記事では、ボーナスの支給条件の確かめ方と、退職を申し出る時期の考え方を整理します。
そのうえで、12月末退職に間に合う人の逆算スケジュールと、間に合わない人が年度末(3月31日)に切り替えるスケジュールの両方を載せています。今から動くなら、実際には後者になる人のほうが多いはずです。
まず確認したいのは、ボーナスの支給条件
「12月にボーナスが出る」とだけ知っていて、支給条件までは見たことがない——という人は少なくないと思います。ここが分からないまま退職日を決めると、もらえるはずだったものが出ないということが起こり得ます。
病院の賞与でよくある条件は、大きく2つです。
- 査定期間に在籍していたか(例:4月〜9月の勤務実績に対して12月に支給)
- 支給日に在籍しているか(いわゆる支給日在籍要件)
特に注意したいのが2つ目です。査定期間をまるまる働いていても、支給日より前に退職日が来ていると支給対象から外れるという規定になっている職場があります。
もう一つ、見落とされやすいのが「退職予定者は減額する」という規定です。支給日に在籍していても、すでに退職を申し出ている場合は満額にならないことがあります。
条件は病院ごとに違うので、確実なのは就業規則か給与規程(賃金規程)を自分で読むことです。多くの職場では、イントラネットか総務部で閲覧できます。
退職の申し出はいつまで?
ここは雇用契約の種類によって考え方が変わります。
正職員(無期雇用)の場合
民法では、期間の定めのない雇用は申し入れから2週間を経過すれば退職できるとされています(民法627条)。
ただし実際には、就業規則で「退職希望日の1か月前まで」「2〜3か月前まで」と定めている病院が一般的です。法律上は2週間でも、円満に辞めたいなら就業規則に沿って動くほうが現実的だと思います。
看護の現場は、シフトが先に組まれます。師長の立場からすると、翌月以降の人員配置を組んだあとに退職を伝えられるのが一番困る、というのは想像がつくところです。早めに伝えたほうが、調整の余地が残ります。
契約職員・パート(有期雇用)の場合
有期雇用は、原則として契約期間の途中で自由に辞められる扱いにはなっていません。この点が正職員と大きく違います。
ただし、契約の初日から1年を超えて働いている場合は、申し出て退職できるとされています(労働基準法附則137条)。また、やむを得ない事由があるときは期間中でも契約を解除できるとされています。
有期契約の人は、就業規則と雇用契約書の両方を確認してください。契約書に更新や退職の条件が書かれていることがあります。
年内に辞めたい人の逆算スケジュール
「ボーナスをもらってから」と「年内に退職」を両立させたい場合、動く順番が決まってきます。
| ステップ | 時期の目安 | やること |
|---|---|---|
| ① 就業規則を読む | 今すぐ | 支給条件(査定期間・支給日在籍・退職予定者の減額規定)と、退職申し出の期限を確認する |
| ② 条件を整理する | 今すぐ | 支給日はいつか/その日に在籍している必要があるか/申し出の期限は何か月前かを書き出す |
| ③ 退職希望日を決める | 11月中 | ②から逆算して、申し出の期限に間に合う退職日を決める |
| ④ 申し出る | 規則の期限に合わせる | 直属の上司(師長)にまず口頭で伝えるのが一般的 |
| ⑤ 支給日 | 12月上旬〜中旬が多い | 支給日在籍要件がある場合は、この日まで在籍しておく |
| ⑥ 引き継ぎ | 申し出〜退職日 | 受け持ち患者、委員会・係の仕事、貸与物の返却 |
ここで気づく人も多いと思いますが、④の申し出が、⑤の支給日より前に来るケースがかなりあります。
たとえば就業規則が「2か月前までに申し出」で、12月31日付で退職したい場合、申し出は10月末。ボーナスの支給日より前に「辞めます」と伝えることになります。
このとき効いてくるのが、さきほどの「退職予定者は減額」規定の有無です。だからこそ、①を最初に持ってきています。順番を逆にすると判断材料が足りません。
「申し出てからボーナスをもらうまで気まずいのでは」と思うかもしれないけど、そこは割り切っていい。規程どおりに手続きしているだけだから。
12月末が難しいなら、年度末(3月31日)に切り替える
ここまで読んで「申し出の期限、もう過ぎているかも」と気づいた人もいると思います。
就業規則が1か月前なら、11月中に申し出れば12月31日退職は間に合います。ただ、病院は2〜3か月前と定めていることが多く、その場合は12月末退職の申し出期限をすでに過ぎています。
でも、ここで諦めなくて大丈夫です。看護師の退職は、むしろ年度末のほうが本流だからです。
年度末退職のほうが、条件がそろいやすい理由
- 申し出の期限に余裕がある——3か月前ルールの職場でも、期限は12月末。今から2か月近くあります
- 求人が最も増える時期に動ける——4月入職に向けて、12月〜2月に求人が集中します
- 12月のボーナスは満額もらえる——支給日在籍要件も満たしたうえで、落ち着いて動けます
- 引き継ぎが自然——年度替わりは異動も退職も重なるので、職場側も想定しています
年度末退職の逆算スケジュール
| 時期 | やること |
|---|---|
| 11月(今) | 就業規則で支給条件と申し出期限を確認する。転職サイトに登録して、求人を見始める |
| 12月 | ボーナス支給。4月入職の求人が出始めるので、気になるものをチェックしておく |
| 1月 | 応募・面接。3か月前ルールの職場は、この時期に申し出る |
| 2月 | 内定・条件の確認。1〜2か月前ルールの職場は、ここで申し出る |
| 3月 | 引き継ぎ、有給消化 |
| 3月31日 | 退職 |
| 4月 | 新しい職場へ |
この流れなら、次の職場を決めてから辞められます。収入の空白もできません。12月末に間に合わせようとして次が決まらないまま辞めるより、ずっと安全です。
一つだけ知っておきたいのは、3月末退職だと、6月の夏の賞与は対象外になることが多いという点です。冬のボーナスを受け取って年度末で区切る、という考え方になります。
年度末まで待つのは「先延ばし」じゃないよ。求人が一番多い時期に、落ち着いて選べるということ。今月やるのは、就業規則を読むのと、求人を眺め始めることだけで十分。
辞めると決める前に、一度だけ確認したいこと
ここまでスケジュールの話をしてきましたが、その前に一つ。
今の「辞めたい」が一時的なものか、根本的なものかを分けて考えてみてください。判断の目安になるのは期間です。
- 一時的かもしれないもの:繁忙期の重なり、特定の時期だけの人間関係、ライフイベント直後の消耗
- 根本的かもしれないもの:働き方そのものへの違和感、身体症状(眠れない・食欲がない)、慢性的な人員不足
3か月以上、同じ理由で同じことを考えているなら、根本的な問題である可能性が高いと思います。逆に、特定の時期だけ強く出ているなら、少し様子を見る判断もあります。
この見極めについては、こちらで詳しく書いています。
在職中にできる情報収集
辞めるかどうかを今すぐ決める必要はありません。ただ、決める前にやっておくと判断が楽になることがあります。
それは、外の求人を見ておくことです。
求人を眺めるだけでも、今の職場の立ち位置が分かります。基本給、夜勤の回数と手当、年間休日数、通勤時間。並べて比べたことがないと、今の条件が普通なのか、恵まれているのか、そうでないのかが判断できません。
「思ったより悪くなかった」と分かって残る人もいます。それも情報があったから出せた結論です。
もう一つ、現実的な話として、在職中に動くほうが収入の空白が生まれません。辞めてから探すと、決まるまでの期間が無収入になります。
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まとめ
冬のボーナスをもらってから辞めたい場合、やることは3つです。
- ボーナスの条件を知る——就業規則・給与規程で、支給日在籍要件と退職予定者の減額規定を確認する
- 申し出の時期を知る——正職員は就業規則の期限、有期契約は契約書も合わせて確認する
- 外の条件を知る——求人を見て、今の職場の立ち位置を把握する
この3つが揃うと、「なんとなく辞めたい」が「いつ、どう動くか」に変わります。逆に、どれか一つでも欠けたまま動くと、あとから「確認しておけばよかった」が出てきます。
そして、12月末の申し出期限を過ぎていた場合は、年度末に切り替えてください。求人が最も増える時期に、次を決めてから辞められます。焦って次を決めずに辞めるより、結果的にうまくいくことが多いと思います。
焦って決めなくていい。でも、調べるのは今日からできる。就業規則を開くところからで十分だよ。
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