※本記事には広告が含まれます。
2026年10月、千葉県の病院で、夜勤中に入院患者を無断で撮影しSNSに投稿したとして、看護師2人が懲戒解雇されたと報じられました。投稿を閲覧していた別の看護師も厳重注意を受けています。
「自分はそんなことしない」と思っていても、SNSでうっかり何かを書いてしまう可能性は、誰にでもあります。この記事では、看護師の守秘義務の基本と、SNSで気をつけたいことを整理します。
そもそも看護師の守秘義務とは
看護師の守秘義務は、保健師助産師看護師法で定められています。
保健師、看護師又は准看護師は、正当な理由がなく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない。保健師、看護師又は准看護師でなくなつた後においても、同様とする。
(保健師助産師看護師法 第42条の2)
ポイントは3つです。
- 契約書や就業規則に書かれていなくても、法律で守る義務がある
- 退職した後も、同じように守る義務が続く
- 違反した場合は、6か月以下の拘禁刑または10万円以下の罰金が定められている(第44条の4)
なお、助産師の守秘義務は保健師助産師看護師法ではなく、刑法第134条(秘密漏示罪)で定められています。
SNSへの投稿も「漏らす」行為になりえます。氏名を伏せていても、日時・症状・年齢・場所といった情報の組み合わせで、本人や家族が分かってしまうことがあります。
「友達だけ」「限定公開」でも安心できない理由
鍵アカウントや友達限定の投稿なら大丈夫、と考える人もいるかもしれません。でも、投稿した本人が想定している公開範囲と、実際に情報が広がる範囲が、一致するとは限りません。
- 閲覧した人が画面を撮影して、別の場所に投稿できる
- 限定公開の投稿が、第三者のまとめ投稿を通じて広まった事例も報じられている
- 一度広がった投稿は、削除しても完全には消せない
冒頭の事例でも、投稿を閲覧していただけの看護師が厳重注意を受けています。見ていた側も無関係ではいられません。
個人のアカウントでも、勤務先や職種が推測できる内容なら、投稿は病院全体の問題として扱われます。「自分のアカウントだから」は通用しません。
やってしまいがちなNG投稿(チェックリスト)
| 投稿の種類 | どこが問題か |
|---|---|
| 患者さんの写真・動画(背景に映り込んだ場合も) | 無断撮影・個人が特定されるリスク。院内での撮影は基本禁止の病院が多い |
| カルテ、申し送りのメモ、検査スケジュール | 氏名を伏せても、日時や症状から特定されうる |
| 「今日こんな患者さんがいた」というエピソード | 年齢・病名・状況の組み合わせで特定されることがある |
| 制服や院内で撮った自撮り | 勤務先が分かる。背景に患者さんや書類が映る可能性もある |
| 同僚・上司・患者さんへの愚痴や悪口 | 職場の信用に関わり、トラブルのもとになる |
| 勤務中の様子の投稿 | 勤務時間中の私的な投稿は、職場のルールで禁止の場合が多い |
SNSで気をつけたい5つのルール
- 院内では撮影しない:患者さん・病棟・書類はもちろん、自撮りも控える
- 患者さんに関する話は書かない:「ぼかせば大丈夫」と考えない
- 勤務先や職種が推測できる投稿を避ける:制服・勤務時間・病棟名・地域など
- 愚痴は投稿せず、手元のノートに書く:書いて整理するだけでも楽になる
- 迷ったら投稿しない:判断に迷う内容は、上司や職場のルールで確認する
副業やブログなど、別のアカウントで発信している人は、本業のアカウントと完全に分けることも大切です。個人が特定される投稿(職場の制服・勤務時間など)は避けましょう。副業を始めるときの注意点は、こちらにまとめています。
→ 看護師が副業を始める前に知っておきたい5つの注意点
もし投稿してしまったら
- すぐに削除する
- 隠さず、早めに上司に報告する(時間がたつほど、広がるリスクが高くなる)
- 自分で判断せず、職場のルールに沿って対応する
削除しても、すでにスクリーンショットが残っている可能性はあります。だからこそ、投稿前に立ち止まることが大切です。
その投稿の背景にあるもの
擁護するつもりはありません。患者さんを無断で撮影してSNSに上げることは、どんな事情があっても正当化できないことです。
ただ、「なぜこういうことが起きるのか」を考えておくことには意味があると思います。自分の身を守るためです。
※冒頭の事例について、当事者がどのような状況にあったかは報じられていません。ここから書くのは、あくまで一般的な話です。
消耗は、判断力から削っていく
看護の現場には、こういう環境が珍しくありません。
- 人員が足りないまま回り続ける業務量
- 患者さんやご家族からの暴言・理不尽な要求(カスタマーハラスメント)
- 休憩も仮眠もまともに取れない夜勤
- 相談できる相手がいないまま抱え込む状況
こうした状態が続くと、人は確実に消耗します。そして消耗は、体力より先に判断力を削っていきます。
「これは投稿していい内容か」という判断は、普段なら10秒で答えが出ることです。でも、疲れ切っているときほど、その10秒が働かなくなります。「ちょっとした息抜きのつもりだった」が、取り返しのつかない結果になることがあります。
追い詰められてからでは、元も子もない
むしゃくしゃした末に判断を誤った結果が、懲戒解雇と、場合によっては刑事罰。看護師として積み上げてきたものを、一度に失うことになります。
看護師を続けたいと思っているなら、そこまで追い詰められる前に環境を変えるほうが、はるかに現実的な選択です。
「逃げ場」を先に持っておく
ここで言う逃げ場は、今すぐ辞めることではありません。
「ここがダメでも、他に行ける場所がある」と知っている状態のことです。
これがあるだけで、同じ理不尽に対する受け止め方が変わります。「ここしかない」と思っているときの苦しさと、「いざとなれば動ける」と思っているときの苦しさは、同じ出来事でも重さが違うからです。
実際に転職するかどうかは、そのあとで決めればいいことです。逃げ場を持っておくのは、逃げることではなく、自分の身を守るための準備だと思います。
SNSルールや教育体制は、入職前に聞ける
「他に行ける場所がある」と知るには、実際に求人を見てみるのが一番早い方法です。そのとき、消耗しにくい職場かどうかを見るポイントがあります。
SNSの使い方を新人研修などで教えてくれる職場もあれば、ほとんど触れない職場もあります。ルールが整備されているかどうかは、職員を守る体制があるかどうかの目安にもなります。次のような点を確認しておくと安心です。
- SNSのガイドラインや研修があるか
- 撮影やスマホの持ち込みルールは明確か
- 新人・中途への教育体制が整っているか
- 人員配置や残業の実態(求人票の数字と現場の実感が合っているか)
- ハラスメントへの対応窓口があるか
求人票に載っていない職場の内情は、エージェントに直接聞くのが一番早い方法です。「この職場、実際どうですか?」と遠慮なく聞いてみてください。
【転職を考え始めたら、まず登録だけしてみる】
転職サイトは「本格的に転職するとき」ではなく「少し考え始めたとき」に登録するのがおすすめです。求人を眺めるだけでも、今の職場との条件の違いが見えてきます。
✅ レバウェル看護(旧看護のお仕事)
エージェントに相談しながら転職したい人向け。求人数・サポート力No.1クラス。
▶ 無料で登録する(レバウェル看護)
![]()
✅ ジョブメドレー
求人件数日本最大級。自分のペースで条件を絞って探したい人向け。
▶ 無料で登録する(ジョブメドレー)
![]()
✅ MCナースネット
訪問診療・クリニック系に強い専門サイト。「病院以外」に転職したい人向け。
▶ 無料で登録する(MCナースネット)
![]()
✅ ジョブソエル
医療・介護・福祉の総合求人。まず登録だけしておきたい人向け。
▶ 無料で登録する(ジョブソエル)
※登録・利用はすべて無料です。
まとめ|投稿する前に、10秒だけ立ち止まる
- 看護師の守秘義務は法律で定められていて、退職後も続く
- 「友達だけ」「限定公開」でも、情報は外に広がりうる
- 患者さんの写真・カルテ・エピソード、勤務先が分かる投稿は避ける
- 迷ったら投稿しない。投稿してしまったら、すぐ削除して上司に報告する
- 判断力は消耗で鈍る。追い詰められる前に「他に行ける場所がある」状態をつくっておく
患者さんの信頼は、看護師という仕事の土台です。その土台を守るために、SNSに投稿する前の10秒を大切にしてください。
【転職を考え始めたら、まず登録だけしてみる】
転職サイトは「本格的に転職するとき」ではなく「少し考え始めたとき」に登録するのがおすすめです。求人を眺めるだけでも、今の職場との条件の違いが見えてきます。
✅ レバウェル看護(旧看護のお仕事)
エージェントに相談しながら転職したい人向け。求人数・サポート力No.1クラス。
▶ 無料で登録する(レバウェル看護)
![]()
✅ ジョブメドレー
求人件数日本最大級。自分のペースで条件を絞って探したい人向け。
▶ 無料で登録する(ジョブメドレー)
![]()
✅ MCナースネット
訪問診療・クリニック系に強い専門サイト。「病院以外」に転職したい人向け。
▶ 無料で登録する(MCナースネット)
![]()
✅ ジョブソエル
医療・介護・福祉の総合求人。まず登録だけしておきたい人向け。
▶ 無料で登録する(ジョブソエル)
※登録・利用はすべて無料です。
参考
- 保健師助産師看護師法(e-Gov法令検索) 第42条の2(守秘義務)、第44条の4(罰則)
- 「動画投稿の看護師を懲戒解雇 千葉西総合病院で患者撮影」共同通信、2026年10月10日配信

限界まで我慢してから動こうとすると、まともな判断ができない状態で決めることになる。余裕があるうちに選択肢を見ておくほうが、結果的にいい選択ができるよ。