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「前より患者さんやご家族の要求が厳しくなっていない?」看護の現場において、患者やその家族の対応に困った経験がない人の方が少ないと思います。優しい感謝の言葉をいただく一方で、心ないクレームや過度な要求に消耗するケースも増えてきました。「この要求、どう答えれば…?」と戸惑う対応が増えているのではないでしょうか。
にゃーすまん自身も、患者さんやご家族への対応で何度も消耗してきました。「もっと優しく対応したい」という気持ちはあるのに、余裕がなくて素っ気ない対応になってしまう。そのたびに自分を責めていた時期もありました。
でも、消耗するのはあなたが弱いからではありません。患者・家族対応の変化には社会的な背景があり、構造的に余裕が作れない状況に置かれているだけなのです。今回の記事では、その構造を整理しながら、板挟みで消耗しないための考え方を見ていきます。
1. 「モンスターペイシェント」対応の増加傾向
厚生労働省や学会の調査によると、医療従事者が直面するトラブルは年々増加傾向にあります。
- 55.1%の医療従事者が患者・家族からの暴言や暴力を経験(日本医師会調査, 2020)
- 一般病院勤務の医師では70%以上が「モンスターペイシェント」対応経験あり、そのうち約10%が月1回以上対応している(carenet調査, 2021)
- 看護師の労災認定理由のうち、約44%が患者や家族からの暴言・暴力(2017年厚労省データ)
👉 つまり、今や「年に1回あるかどうか」ではなく、「日常的に直面するリスク」になっています。背景には、医療従事者は「何を言われても耐えるべき存在」という古い価値観が、いまだ現場に残っていることも関係しています。
にゃーすまんも患者からの暴力はもちろん、暴言を吐かれたことは何度もあるよ。認知症の患者さんが増えてきていることもあるけど、それに耐えられない看護師がいてもおかしくない状況だと思うよ。
2. 「ペイハラ」として注目される新しい問題
近年は「カスタマーハラスメント(カスハラ)」に加え、「ペイシェントハラスメント(ペイハラ)」という言葉が使われるようになりました。
- 患者・家族からの無理難題、暴言、威圧的態度などが含まれる
- 厚労省も2022年に「医療機関向けカスハラ対策マニュアル」を公表
- しかし現場への浸透は遅れており、まだ多くの看護師が個人で抱え込んでいる
言葉ができたこと自体は前進ですが、「名前がついた=現場が変わった」わけではありません。マニュアルがあっても、実際に管理者が介入してくれるかどうかは職場次第というのが現実です。
実感としてペイハラを受けたとしても管理者側が動いてくれることは少ないかな。結果として被害を受けた看護師側が泣き寝入りするのが多いように感じるよ。
3. なぜ患者・家族の対応が変わったのか?
背景には複数の社会的要因があります。
情報化社会
インターネットで医療情報を容易に得られるようになり、「知識武装」した患者や家族が増加。正しい情報もあれば、誤情報もあり、現場と認識のギャップが生じやすくなっています。看護師はただ医療を提供する存在ではなく、見られ、判断される相手になっています。
高齢化と多疾患併存
認知症患者や複数の持病を抱える方が増加。そのケアを担う家族の負担が大きく、結果的に要求や不満が医療者に向けられるケースも。
サービス業化する医療
日本ならではの「患者はお客様」という考え方が根強く、過剰な「顧客対応」が医療現場にも浸透。しかし、医療は本来「人命を守るサービス」であり、過度な要求すべてに応えるのは不可能です。
看護師だって全ての医療に対する知識が「完璧」なわけじゃないよね。ネットの情報に追いつけないこともある。患者やその家族の「理想の看護師像」で関わられても困ることがあるよね。
4. 現場の苦悩と実際の声
現役看護師からはこんな声が聞かれることが多いのではないでしょうか。
- 「ナースコールで『水を持ってきて』と1時間に5回以上呼ばれる」
- 「説明しても説明しても『そんなはずはない!』と怒鳴られる」
- 「忙しい夜勤中に、家族からの長電話対応で1時間取られてしまう」
👉 これらは珍しいケースではなく、日常業務に組み込まれてしまっている現実があります。精神的負担が蓄積し、うつ病やバーンアウトの原因にもなっているのが現場の実情です。
今ではある程度のところで話を切り上げられるスキルが身についたけど、新人や真面目な看護師は苦労する場面だよね。「患者さんの要望に応えられなかった」と思い悩んで鬱になった同期もいたよ。
5. 看護師が取れる具体的な対応策
もちろん「仕方ない」で終わらせることはできません。現場でできる工夫を整理します。
- チームで共有する
苦情やハラスメントは「自分だけの問題」として抱え込まない。カンファレンスや申し送りで情報をオープンに。 - 記録を残す
発言内容・日時・状況を記録し、必要に応じて管理職に報告。エビデンスがあることで対応がスムーズに。 - 共感の言葉を添える
「ご不安なお気持ち、よくわかります」など、まず気持ちを受け止める言葉を挟むとクレームが和らぐ場合が多い。 - 限界を超える要求には線引きを
「医療安全のために対応できないことがあります」とはっきり伝える勇気も必要。
何か違和感を感じたらまず他の看護師に「こう感じた」と伝えてみるのが第一歩だと思う。その看護師も「おかしい」と感じたなら恐らくそれは間違いのない「違和感」だね。そこからチームへの相談、対策を練っていくのがより安全で効果的だと思うよ!
患者・家族対応の苦しさが続くなら「環境」を見直すことも選択肢
対処法を試しても改善しない場合、問題はあなた個人の対応力ではなく、職場の人員不足・体制の問題である可能性があります。
- 一人あたりの患者数が多すぎて、丁寧な対応ができない
- クレーム対応のサポート体制が整っていない
- 医師・師長が板挟みの状況をフォローしてくれない
- 「患者家族への対応もあなたの仕事」という過度な要求がある
こういった状況が続いているなら、職場を変えることで解決する可能性があります。
患者さんやご家族への対応って、本来は看護師一人で抱えるものじゃない。チームで、組織でサポートするものだよ。それがない職場で一人で頑張り続けても、消耗するだけ。「自分の対応が悪いのかも」じゃなくて、「この職場の体制が問題なのかも」と疑ってみることも大事だよ。
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まとめ
患者・家族対応の変化は、医療の社会的背景とリンクしています。看護師として「心を守る対応力」を磨くことは、自分を守る第一歩になります。それでも消耗が続くなら、それはあなたの弱さではなく、職場の体制の問題かもしれません。
患者さんやご家族に寄り添いたい気持ちがあるからこそ、対応できない自分を責めてしまう。でも、その気持ちがある時点で、にゃーすまんは十分「いい看護師」だと思うよ。消耗し続けることが正解じゃない。自分を守ることも、立派な看護師の仕事だよ。今日が人生で一番若い日。無理しすぎないでね。


「患者さんやご家族に優しくしたい」という気持ちは本物なのに、余裕がなくて十分に関われない。あの罪悪感、今でも覚えてるよ。でもあれは、にゃーすまんが冷たかったんじゃなくて、構造的に余裕が作れない状況だったんだと、今は思う。