みなさん、いつもお疲れさまです!中堅看護師にゃーすまんです!
「診療報酬が3.09%上がるらしい」
このニュースを見て、
「じゃあ、看護師の給料も上がるのかな?」
と期待した人も多いと思います。
慢性的な人手不足、夜勤、残業、責任の重さ。
これだけ負担が増えている中で、少しでも報われたいと思うのは自然なことです。
でも結論から言うと、
今回の診療報酬引き上げが、すぐに看護師の待遇アップに直結する可能性は高くありません。
なぜそう言えるのか、看護師の立場から整理してみます。
そもそも、なぜ診療報酬が上がるのか
今回の診療報酬本体3.09%引き上げは、
「医療従事者の処遇改善」という建前はありますが、
本質的には“病院経営の崩壊を防ぐため”の側面が大きいと考えられます。
現実として、
- 多くの病院が赤字
- 光熱費・物価・委託費が上昇
- 人件費は抑えられない
- でも患者数は増えない
という、かなり厳しい状況が続いています。
つまり今回の引き上げは、
「余裕を作るためのお金」ではなく、
「沈まないためのお金」という位置づけです。
3.09%上がると、病院の収入はどれくらい増える?
仮に、年間診療収益が10億円の病院なら、
単純計算で約3,000万円の増収です。
一見すると大きな金額に見えますが、
- 物価上昇分
- 光熱費
- 委託業者への支払い
- 既存の赤字補填
これらを考えると、
「余ったお金を人件費に回せる」病院は実は多くありません。
増えたお金は、まずどこに使われるのか
多くの病院で想定される優先順位は、正直こんな感じです。
- これ以上赤字を広げないための補填
- 止められない設備・システムの維持
- 医師確保のための人件費調整
- その後に、看護師・コメディカルの処遇
ここで重要なのは、
看護師の待遇が「重要じゃない」わけではないという点です。
ただ、病院経営上は
- 医師が辞める → 診療が止まる
- 設備が止まる → 病院が回らない
という事情があり、どうしても優先順位が後ろになりやすいのが現実です。

たしかに、病院の赤字補填をしないと、病院が立ち行かなくなるよね。まずは当然、そこにお金が当てられることは流れとしては理解できるよね。
看護師の給料は上がらないの?
「じゃあ、今回の改定で看護師の給料は上がらないの?」
答えは、
“上がる可能性はあるが、目に見えて実感できるケースは少ない”
です。
理由はシンプルで、
- 診療報酬アップは病院全体の収入
- 看護師給与は病院ごとの判断
- 一律で反映される仕組みではない
からです。
基本給が大きく上がるというよりは、
- ボーナスが微増
- 手当が少し調整される
- 凍結されていた昇給が再開される
といった「気づいたら少し変わっていた」レベルになる可能性が高いでしょう。
看護師にとって本当に大事な視点
ここで大切なのは、
「診療報酬が上がったから期待する」ことよりも、
・自分の病院は人にお金を使う病院か
・人を消耗品のように扱っていないか
を見ることだと思います。
同じ診療報酬改定でも、
- 看護師の負担軽減に使う病院
- 給与や手当に反映する病院
- 何も変わらない病院
この差は、確実に出ます。

自分の目で「病院(職場)を客観的に評価する」いい機会かもしれないね。
じゃあ看護師は、どうすればいいのか
「診療報酬が上がっても、すぐに待遇は変わらない」
この現実を知ったとき、
多くの看護師が感じるのは無力感かもしれません。
でも大事なのは、
“何もできない”わけではないということです。
少なくともできるのは、
- 自分の病院が、看護師にお金を使う病院なのか
- 人が足りなくなったら「我慢」で回す病院なのか
- それとも、待遇や環境を見直す姿勢がある病院なのか
を知ること。
そのためには、
「今すぐ転職するかどうか」は別として、
他の病院・職場の条件を知っておくことは無駄になりません。
実際、
- 同じ夜勤回数でも年収に差がある
- 残業の考え方が全く違う
- 人員配置や業務分担が根本的に違う
というケースは珍しくありません。
もし
「今の職場しか知らない」
「比較したことがない」
のであれば、一度情報を見てみるだけでも視野は広がります。
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※登録=即転職ではありません。
条件を知るだけでも、「今の職場が普通なのかどうか」が見えてきます。
まとめ:診療報酬アップを“待つ側”で終わらないために
正直に言えば、
「診療報酬3.09%アップ=看護師の待遇アップ」とは、残念ながら言えません。
ただし、
- 病院が少し息をつける
- 人員削減や極端な締め付けが抑えられる
- 処遇改善の“余地”が生まれる
という意味では、
ゼロよりは確実に前進ではあります。
だからこそ看護師側も、
を冷静に考えるタイミングなのかもしれません。
「待つ」だけではなく、
「この病院に自分の労力を使い続ける価値があるか」
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